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不況に強い損益体質への改善

土地の価格が回復し始め金利も上昇、景気が回復してきているのは事実だと思うが、それを実感できるのにはもう少し時間がかかるように思う。

今回は原価をベースとした損益体質について考えてみる(サービス業の人はゴメンナサイ)。

本来会社の目的は利益の追求であり、そのために経営者の方は売上を増加と経費を削減のために日々努力をしている。ただし今回は少し視点を変えて損益分岐点売上(利益が「ゼロ」となる売上)を考慮した損益体質を考えてみることにする。

まず営業利益は次の式で求められる。

(営業)利益=売上−変動費−固定費

変動費とは売上に直接的に関わる経費で具体的には、材料費・製造人件費・配送費・設備の減価償却費などである。一方固定費とはそれ以外の間接的な経費を指し、事務人件費・地代家賃・通信費・交際費などがある。

  現在の状態 P
売上高 1,000(100%) 1,000 1,000 1,000
変動費 400( 40%) 550 300 400
限界利益 600( 60%) 450 700 600
固定費 500( 50%) 350 500 400
営業利益 100( 10%) 100 200 200

 
さて現在の会社の損益構造がPの状態とする。前述の損益分岐点売上は固定費÷限界利益率(例では60%)で計算されるので、利益をゼロより多くするには833以上の売上の確保が必要となる。次にQの状態を見てみると、Pと同じく利益は100であるが、損益分岐点売上は計算すると777となる。これは損益構造を変えたことにより、不況により売上高が56減少したとしても、営業利益はPの状態と変わらないことを意味しており、PよりもQのほうが不況に強い会社と言える。

次に売上を増加させるのはなかなか難しいのでPの状態から経費を削減することにより利益を増加させたと仮定する。まずRの状態では変動費を100削減、Sの状態では固定費を100削減しており、共に利益が200に増加したとする。この場合の損益分岐点売上はRが714、Sが666となっており、損益分岐点売上が少ないSのほうがRよりも不況に強い会社ということができる。

少し話しがややこしくなってきたが結論はこうである。利益の増大には売上の増加と経費の削減が基本であるが、いまのご時勢なかなか困難である。そこで不況に強い損益体質にするための実践として、@変動費と固定費の割合を見直す(合計金額が同じなら固定費から変動費へシフトさせる) A固定費の増加は極力避ける の2点が有効となる。具体的には機械や設備コストの最小化、社外発注などのアウトソーシング化、人件費についてはパート・アルバイトの積極的な活用により、固定費を変動費に切り替えることが可能になる。

これらのことを実践することにより、利益の金額は変わらなくても売上の減少にも強い不況抵抗力のある会社に生まれ変われるのである。

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