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年金受給者の確定申告

確定申告の時期になると「税理士による無料相談会場」が開設され、税理士は税務支援のため何日間か割り当て会場に出向くことになります。毎年多くの年金受給者の方が申告をするために列を作ります。ただし平成23年度以降分の確定申告からは、『公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には確定申告の必要はありません』(※)という一文が追加されました。それでは年金受給者にとって確定申告の必要性はどうなのかを見ていきましょう。

公的年金等を受給している方についてはその公的年金等の支給時に、原則として収入金額からその年金に応じて定められている一定の控除額を差し引いた額に5%を乗じた金額が源泉徴収されています。公的年金の年金額が、108万円以上(65歳以上の方は158万円以上)の方は、「扶養親族等申告書」を提出することにより人的控除が差し引かれ適正に源泉徴収の計算が行われています。申告の手続き書には、「公的年金等に係る雑所得の金額から所得控除を差し引くと残額がある方は、確定申告で税額を精算」することになっていますが、確定申告をする必要はないのでしょうか。

A.確定申告をしなくてもいい人
公的年金のみの受給者の方で、はがき等でお知らせのある「年金受給者の源泉徴収票」の源泉徴収税額が0円の人は確定申告の必要はありません。ただし住民税額を計算するときの所得控除額は、所得税計算時の所得控除額より低くなっているため、住民税の申告書は提出しておいたほうがよい場合があります。

B.確定申告をしなければいけない人
公的年金等の収入金額が400万円以上で、公的年金等に係る雑所得の金額から所得控除を差し引くと残額がある方は申告により所得を精算しなくてはなりません。また公的年金等以外にも収入があり、その所得金額が20万円を超える場合には確定申告により精算をしなければなりません。公的年金のほかに個人年金を受け取っている人も年金の額から掛け金の額を控除したものに一律10%で所得税が源泉徴収されていますので、確定申告で精算を行うことにより税額が還付される可能性が高いと思われます。

C.確定申告をしたほうがよいと思われる人
冒頭の(※)により平成23年分以後について、公的年金等のみの受給者でその収入金額が400万円以下の方については、確定申告をしなくてもよいことになりました。

実際には「公的年金等に係る雑所得の速算表」から公的年金等の収入金額×割合−控除額で所得金額の計算を行い、そこから人的控除を差し引いた額に所得税率をかけた金額が引かれている源泉徴収税額となっているはずです。ただし公的年金等の源泉徴収については、配偶者や扶養親族の数に対する人的控除しか考慮されていないため、その他の所得控除を受けるため確定申告を行うことにより、所得税の還付が見込まれる場合が多くあります。また確定申告を行わない場合には、日本年金機構等から市役所等に送付された公的年金等の源泉徴収票の内容により住民税が課税されるため、住民税についても人的な控除以外については一切考慮されないことになります。申告の作業は確かに面倒ですが、「A」のところでも書いたとおり、確定申告を行わない場合でも市役所等には市民税の申告書を提出しておいたほうが、住民税の金額が下がる可能性が高くなるといえるでしょう。

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