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住民税の通知書にびっくり!!

毎年5月になると住民税の納税通知書が届きますが、前年よりも税額が増加している人もいて驚いたのではないでしょうか。そもそも住民税と所得税ではその徴収時期が異なります。下記の図を見てください。

サラリーマンの場合は毎月の給与について源泉税額が徴収され、毎年年末の最終給料の支給時に年末調整によりその年の所得税額が精算されます。つまり@の時点から税額の徴収が始まります。一方住民税は前年の所得額に基づいて計算され翌年の6月から徴収されることになります。徴収の開始月@とAだけをみると18ヵ月もの差があるわけです。よって新年から6ヵ月も経過したあとに前年分の税金(住民税)の納付が始まるのですから、違和感を感じる人も多いのだと思います。特に今回は2つの点について変更がありました。

・扶養控除の一部廃止
平成23年分の所得税から扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が16歳未満の人の扶養控除が廃止されています。それに伴い源泉所得税の徴収額は平成23年1月分から変更になっています。しかし住民税については平成24年5月に届く住民税の納税通知書が平成23年分の所得を基準に計算されているため、その前年に比べると上記に該当す方の扶養控除分の税金の額が増加することになります。平成19年には税源移譲の改正で住民税率が一律10%となり、源泉税額よりも住民税額のほうが多くなった人もいると思います。そしてまた今回も住民税が増加した人もおられるでしょう。

・年金生活者の特例
所得税においては平成23年分から公的年金収入が年400万円以下の人は所得税の確定申告が不要になりました。しかし住民税にはこの規定がありませんので、公的年金収入が年400万円以下でも年金が複数ある方や年金以外に年20万円以下の所得がある方も住民税の申告を行わなくてはなりません。この規定がなかった平成22年分以前では、所得税の確定申告書が自治体に回り再度住民税の申告をする必要はありませんでしたが、平成23年分からは所得税の申告が不要になったと安心していたら自治体から住民税の申告書用紙が送付され混乱されたかと思います。また医療費が比較的多くかかっていたのに所得税の申告をしなかったため医療費控除を受けられなかった人も多数いるように思われます。

もうひとつ気をつけなければならないのは退職したときです。たとえば住民税特別徴収の人が3月に退職した場合、3月分から5月分までの住民税は最終の給与または退職金から一括徴収されることになります。しかしそれは前年の所得に基づいて課税された分ですので、今年の1月分から3月分までの給与にかかる住民税は、来年の住民税の算定に加算されることになります。また8月に退職した場合は、前年の所得を基に計算された8月分から翌年5月分までの住民税額を最終の給与または退職金から一括徴収されることになります。徴収できなかった場合は普通徴収となり本人が自分で納付をすることになります。この場合も今年の1月分から8月分までの給与に対する住民税は未払いのままなので、来年の住民税の算定に加算されます。

所得税と住民税には徴収時期に時間差があり、住民税は忘れたころにやってきますので、住民税分のお金をプールしておくことを忘れないようにしましょう。

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