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適正な役員報酬とは

お客さまからよく「当期の役員報酬をいくらにしたらいいの?」と聞かれることがあります。代表者の役員報酬の金額は会社の業績が算定の基準になると思いますが、会社として何を優先するかによってその決め方は変わり、これが正解だ、という決め方はありません。そこでひとつの考え方として次の方法を提示してみたいと思います。

同族である中小企業の場合、もっとも関心があるのは「税金」「自分の取り分」「現金」の3つだと考えられます。そこでまず前期の決算書を見てみましょう。下の方に「税引き前当期純利益」という項目があると思います。それが損益ベースで計算した税引き前の会社の純利益になります。その金額に減価償却費の金額を加算し、さらに同族分の役員報酬の金額を加えてみましょう。そしてそこから1年間の借入金返済の金額に税金を考慮した数字を差し引きます。その金額が役員報酬の金額を決めるベースの金額になります。この金額を「役員報酬」「税金」「投資(繰越金)」の金額に分配していくのです。その割合についてはそれぞれの会社の状況や方向性で変わってきますが、ここでは大まかに6:2:2で分けてみることにしましょう。前期決算書の金額が次のものと仮定して数字をあてはめていくと。

・税引き前純利益    300万
・減価償却費      120万
・同族の役員報酬の金額 700万
・年間の借入金返済額  240万→343万※
→求めるベースの金額は 300+120+700−343=777万

これを上記の割合で分配してみると、役員報酬389万、税金194万、投資194万となります。

この割合は同族会社ということでかなり甘く設定しているのですが、それでも当初の役員報酬700万と比較すると約311万も取り過ぎであることがわかります。

また算定で借入金返済についても考慮しましたが、借入金は返済しても経費にはなりませんので、キャッシュフローを考える上では需要な要素になります。例の年間240万の借入の返済を利益で賄うと仮定すれば、343万(240÷0.7[税率30%])の利益が必要になるのです(※)。

再計算後の数字で決算書を作ってみると、税引き前利益の金額は611万となります。そして再度計算してみると、
・税金   183万(30%)
・設備   194万
・借入返済 240万
となり、足りない分は役員報酬の取り過ぎとして借入という形で返してもらうことにします。

当初の税引き前利益は300万ですが、税金が100万として借入返済240万を行ってしまうとマイナスとなり、会社への設備投資もできなくなります。つまり役員報酬の金額が適正でなかったのではないかという推測ができます。

さて中小企業の法人税率を30%と仮定、一方役員が負担すべき所得税・住民税・社会保険料等の合計税率は30%を超えるでしょうから、会社の利益から税金を支払った方が残るお金は多くなる場合もあります。

会社の規模や税引き前利益の金額、そして将来何を優先していくかによって分割割合を決めていくことになりますが、最終的には4:3:3程度の割合で行えるようになれば、会社として安定した経営が可能になるでしょう。その理由は利益から投資分のキャッシュを確保していくことが、会社の永続に必要な要件となっているからです。

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