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税務情報

複数会社に勤める役員の社会保険

あるひとりの従業員が別の会社にも勤めている場合の社会保険についてはどうなるでしょうか。
社会保険の被保険者としての該当条件は、

・正規で働く社員のおおむね3/4以上の労働時間があること
・雇用契約の期間が2ヵ月を超えること

ですので、両方の条件を勤めているふたつの会社で同時に満たすことはあまりないと考えられます。
それでは役員が複数の会社に勤務している場合はどうでしょうか。役員報酬は労働の対価ではありませんので、役員が被保険者に該当するかどうかについては、以下の日本年金機構の運用解釈(平成24年7月28日 保発74号)を元に総合的に判断することになります。

・その会社に定期的に出勤しているか
・その会社の職以外に多くの職を兼ねていないか
・その会社の役員会等に出席しているか
・その会社の役員への連絡調整及び従業員への指揮監督などを行っているか
・その会社に対してどの程度の意見を述べ、影響を与える立場にあるかどうか
・その会社からの報酬の支払いの実態

これらの条件を満たせば、役員は二つ以上の事業所で被保険者に該当することになります。その場合被保険者が同時に複数の適用事業者に使用されることにより、管轄する年金事務所または保険者が複数となる場合は、被保険者が届出を行い、年金事務所または保険者のいずれかを選択します。選択した年金事務所には被保険者が「健康保険・厚生年金保険 所属選択・二以上事業所勤務届」を提出し、複数の会社で支払われている役員報酬について社会保険料の計算を行います。
例えばA会社から月額50万円、B会社から月額30万円をもらっている役員がいて、どちらの会社においても被保険者であるとします。そのときの各社での保険料は、

・報酬月額合算額=50万円+30万円 =80万円
・標準月額報酬:健康保険 790,000円
        厚生年金保険 620,000円
※この標準月額報酬で求めた保険料をCとする

・A会社の保険料 保険料C×50万/80万
・B会社の保険料 保険料C×30万/80万

また一方の会社で役員報酬が変動した場合には、その会社において随時改定の要件に当てはまるかどうかを判断し、該当する場合には変動のあった事業所を管轄する年金事務所へ、被保険者月額変更届を提出することになります。

いままではあいまいになっていた会社も多いと思いますが、平成28年からのマイナンバー制度の導入により、これらの情報はダイレクトに年金事務所にも把握されることになりそうです。役員が複数で勤務している場合、被保険者として該当するかどうかを事前に確認しておいたほうがよさそうです。

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