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贈与の基本と活用方法

贈与には単に金銭等をあげたい場合と相続対策のために生前贈与を行う場合の2つがあると思います。贈与税は1年間に贈与として受け取った金銭等の合計額について、受け取った人が申告と納税を行う制度です。複数の人からや複数回受け取ったとすれば、その合計額を1年間に贈与された金額として計算を行います。

まずシンプルな暦年贈与ですが、1年あたり110万円まで贈与を受けても贈与税の課税(申告)の義務はありません。ただし贈与はその当事者が贈与の事実を認識していることが前提であり、贈与を受けた者がその金銭等を自由に使えなければなりません。また贈与の事実を明確にするため、贈与契約書等を作成しておいた方が後々安心です。

相続対策で贈与を考える場合には、贈与者が複数人に贈与を行えば有効な手段となるでしょう。贈与税は相続税の補完の意味合いがありますので、その税率は相続税よりも高めに設定されています。直系尊属(祖父母や父母)から、その年の1月1日において20歳以上の者(子や孫)への贈与は特例贈与となり、それ以外の一般贈与と比べてその税額は少しだけ低く設定されています。
次に大きなお金を親族等に贈与したい場合はどうでしょうか。

○住宅取得等資金の贈与税の非課税
平成27年1月1日から平成31年6月30日までの間に父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭を取得した場合において、一定の要件を満たすときはその種類により非課税の限度額が設定されています。ただし受贈者については、その年の合計所得金額が2,000万円以下の人に限られます。

○教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税
平成25年4月1日から平成31年3月31日までの間に、30歳未満の者が、教育資金に充てるため、金融機関等との一定の契約に基づき、受贈者の祖父母などから教育資金口座の開設等をした場合、信託受益権又は金銭等の価額のうち1,500万円までの金額に相当する部分の価額については、金融機関等の営業所等を経由して教育資金非課税申告書を提出することにより贈与税が非課税となります。

○相続時精算課税制度
「相続時精算課税制度」は、60歳以上の父母または祖父母から20歳以上の子・孫への生前贈与について、子・孫の選択により利用できる制度です。この制度には2,500万円の特別控除があり、贈与額が2,500万円を超えた場合には、超えた額に対して一律20%の贈与税が課税されます。また相続時精算課税制度を利用した場合、贈与税の基礎控除(110万円)の利用はできません。加えて相続の発生時には、この制度を用いて贈与をした分については、相続財産として組み入れられることになります。

そのほか、婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除できる特例もあります。
贈与税節約のポイントは長い期間をかけて多くの人に贈与を行い、贈与の事実をしっかりと残しておくことに尽きます。また相続税対策といいながら相続税がかからなければ、節税のために生前贈与を行う意味はなくなってしまいます。そのためには相続財産の確認や契約書の作成、受贈者の了解や贈与資金の使い方まで考えていただいた上で、実際贈与を行っていただくとより安心です。

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