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配偶者控除の廃止

専業主婦世帯を優遇するとして過去に何度も見直しの対象となりながら見送られてきた配偶者控除制度ですが、いよいよ制度の廃止が来年の1月になる案が本格化してきました。この制度が女性の社会進出の足かせとなっており、女性の社会進出を促進のためには廃止すべきだと言われていますが、実際廃止されるとどうなるのでしょうか。

○103万円の壁
配偶者控除は、一定の所得以内の配偶者がいる家庭には、その所得控除が受けられる制度です。たとえば給与収入が103万円以下の配偶者がいれば、その配偶者分を配偶者控除(38万円)という形で所得控除が受けられ、所得税率が10%の方であれば、所得税3万8千円、住民税3万3千円の合計7万1千円の税金が安くなる計算になります

○130万円の壁
これともうひとつ同時に進められているのが、家族を社会保険の扶養とするための家族の年収条件の引き下げです。2016年10月から社会保険に自分で加入しなければならない要件が以下のように変更になっています。

・週の労働時間が20時間以上
・年収106万円以下(以前は130万円以上)
・勤続年数1年以上
・勤務先の従業員が501人以上

この4つ条件にあてはまる場合、自身で社会保険に加入しなければなりません。4つ目の授業員数の要件は中小企業には当てはまりませんが、いずれこの人数制限も低くなり、すべての会社がこの加入対象の基準になっていくと思われます。
前述の2つ壁が崩れるとどうなるのでしょうか。たとえば給与収入の103万円の壁が無くなったため、妻が時間を気にせずにもっと働くことにより、妻自身に所得税と住民税、社会保険料の負担が生じて、その分妻の手取額は減少します。また夫のほうでは配偶者控除分の所得控除が使えないため、その分夫の手取額は減少します。シミュレーションではこの両方の手取額を増やすためには、妻の給与収入が160万円を超えなければならないようです。それ以上に稼げば世帯の手取額も増えていく計算になります。

結局女性の社会進出の促進よりも、パートがいる世帯での夫と妻の2重の所得控除を是正することで、増税となることが政府の配偶者控除廃止のほんとの目的ではないかと思われます。過去にあった子ども手当の支給による年少の扶養控除の廃止も同じような流れだったと記憶しています。

同時に、これに替わる新しい控除案の「夫婦控除」の創設、配偶者特別控除の廃止・継続の議論も進められており、いずれにしても国民にとっての増税になることは間違いありません。これからさらに、世帯レベルでどのような働き方やライフスタイルを選んでいくかをしっかりと考えていかなければならないでしょう。

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