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退職金の受け取り方法

長い間会社勤めをした人の中には、これからの老後の生活をいろいろと思い描いている人も多いと思います。でも何をするのにも必要となるのはお金です。今回は退職金の受け取り方法について考えてみました。

退職金の受け取り方法はその会社方針に従うことになりますが、大きく分けて3種類の方法が選択できるようですので、それぞれの場合に受け取れる金額についてみていきましょう。
例として22歳で就職した人がひとつの会社で38年間勤め60歳で会社を辞めたとして、そのときに2,000万円の退職金がもらえると仮定します。

1.退職金を一時金として全額受け取ると退職所得となります。そのときの退職所得控除額は例では2,060万円と計算されますので退職所得は0円となり、無税で退職金全額を受け取ることができます
2.退職金を期間10年の年金形式(運用利益2%と仮定)で受け取る場合には、その運用益により退職金総額は2,210万円に増加します。ただし単純にそれを10で割って1年間の年金収入金額が221万円と仮定すると、年間の年金所得の金額は65歳未満では128万円、65歳以上では101万円となり、その金額から所得控除等を引いた金額を基準に毎年所得税や住民税、そして国民健康保険料が計算されます
3.退職金の半分を一時金、半分を年金形式で受け取る場合は、退職所得部分は無税になります。また年金収入部分は10年の運用益により約1,100万円となり、毎年その年金所得に対して税金や保険料がかかりますが、その負担は2の場合よりも少なくなります。

これらのことから一般的な傾向として、退職金の受け取り方によりその収入金額総額は、
一時金受取<一時金と年金受取<全額年金受取 の順番で多くなっていくことがわかります。

一方その手取額を計算してみると
全額年金受取<一時金と年金受取<一時金受取
の順番で多くなっていくようです。

つまり退職金の受け取り方を年金形式にすれば、税金等を引く前の受け取れる総額は大きくなりますが、最終的な手取り額については一時金として受け取った方が有利になる場合が多くなるようです。ただし今回は退職金を原資とした場合のみでその計算を行いましたが、実際にはそれ以外に公的年金や私的年金、退職後の給与収入がある人も多く、国民健康保険料については世帯所得を基準に考えますので、配偶者に収入がある場合にはその分の保険料も増加してしまうことになります。

また今回は年金形式で受け取る場合の運用利率を2%と仮定しましたが、その運用利率が高ければ年金方式の方が有利になる場合もありますし、一時金として受け取った場合でも個人でうまく運用できる人もおられると思います。よってベストな受け取り方の選択方法は個別事情によって考えなければいけないことになります。

一時金として一度にお金を手にすると、一気に無駄遣いをしてしまう可能性もあり、年金方式のように分けてもらった方が良いという人もいるでしょう。自分のこれからのライフプランを考え、毎年必要な生活資金を計算した上で、退職金の受け取り方法を選ぶとよいでしょう。

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