60歳以降の年金と仕事の関係
一生働き続けることができるのなら老後の心配はありませんが、60歳を迎える頃には自分の将来のライフプランについて考えるのによい時期かもしれません。
現制度では年金の受給開始期間は65歳からで、国民年金について、40年の全期間の保険料を納めた人の年金の金額は年額約78万(月額約6.5万)、それに社会保険や共済に加入していた人は厚生年金の部分がプラスされます。厚生年金の受給金額は以下の式を利用して求めることができますが、計算が複雑なため、確かな金額を知りたい方は年金事務所等で確認してみてください。
・受給金額=平均給与×一定乗率×加入期間
上記のとおり年金の受給開始は65歳からになりますが、60歳からの繰上げ支給や66歳から70歳までの繰り下げ支給を希望することもできます。ただし早くから年金をもらうと年金額が減額され、遅くからもらうと年金額は増額されます。
請求時年齢 | 年金増減率 |
---|---|
60歳 | 68% |
61歳 | 65% |
62歳 | 72% |
63歳 | 80% |
64歳 | 91% |
66歳 | 112% |
67歳 | 126% |
68歳 | 143% |
69歳 | 164% |
70歳 | 188% |
60歳以上で働きながら年金を受給すると、その給与や年金の額により年金額の一部または全部が支給停止されることがあります。この対象となるのは、60歳以上で厚生年金保険に加入しながら老齢厚生年金を受ける人です。
減額の計算の基礎は、
A:年金額(年額)を12で割った基本月額
B:毎月の賃金(標準報酬月額)+1年間の賞与
(標準賞与額)を12で割った総報酬月額相当額の合計となり、60歳以上65歳未満の人はA+Bの金額が28万円を超える部分の1/2相当額、65歳以上の人はA+Bの金額が46万円を超える部分の1/2相当額が支給停止の対象となります。
60歳からも働き続ける人は、年金をいつからもらうか、どれくらい働いたら(稼いだら)よいかの選択肢がありますので、自分のライフプランに合わせて損にならないような働き方を選んでいきましょう。また60歳以降も厚生年金に加入するかどうかを保険料の支払額だけで判断せず、受け取る年金額が増加することや、もしものときに支給される遺族年金の増加・障害年金の受け取りなどのメリットがあることも考慮の上決めていただけたらと思います。
※いままでは年金の受給に必要な年金加入期間は 25年とされていましたが、平成29年8月1日か ら10年に短縮されています。(ただし10年の人 が受け取れる額は保険料を40年納付されたとき の1/4となります)
※厚生年金への加入は最長で70歳まで可能です。
※厚生年金への加入条件は、平成28年10月に緩和され、労働時間が週20時間以上、賃金が8.8万円以上と基準が下がりました。
← 一覧に戻る
※当ホームページはすべて税込で金額を表示しております