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賞与による決算対策

「今年度は儲かった!」と決算書を見ながら笑えるのは非常にうれしいものです。しかしその次には「税金はいくらかかるの?」と頭の中で電卓を叩いてしまうのも経営者の宿命です。
「会社が儲かったのは社長の意思決定が良かったから」、それもあるでしょう。しかし会社の運営を担っている役員や、実際に業務を行っている従業員の頑張りがあったからこそでもあります。そこで利益に貢献してもらった人に感謝の意を込めて決算時に賞与を支給するというのが元々の決算賞与の概念です。

まず役員に対する賞与ですが、平成18年度の税制改正において「決まった賞与時期に決まった額を支給する事前確定届出給与」や「同族会社に該当しない会社が、その業務を執行する役員に対して利益を計算基礎として支給する利益連動給与」 などが導入されましたが、賞与の金額を決定する時期が決算時ではなくその事業年度の期首時点でなければいけなかったり、中小企業に多い同族の会社では制度が使えなかったりするので、役員への功績を評価する意味ではいいのですが、税金対策面においては有効ではありません。

次に従業員に対する賞与ですが、通常は実際支給をした期の経費となります。ただし決算賞与については決算の期末時点で未払いであったとしても、以下の要件をすべて満たしていれば税務上損金に計上できるという特例があります(法人税法施行令第72条の5)。
(1) 決算日までにその支給額を各人別にその支給
を受ける従業員全員に知らせていること
(2)決算日以後1ヶ月以内に(1)により通知した金
額を支払っていること
(3)決算時においてその金額を未払い計上していること

税務上は実質的にこれらのことが行われているかどうかが問題になることが多いので、各人への通知は書面で行い各人から確認印をもらうこと、また支給については銀行振込、または現金支給で受取りの領収印をもらっておけば対策として万全です。
本来の賞与の意義とはかけ離れますが、決算時利益が出ているが税金として納付したくないために賞与を支給し税金を抑える会社もあるようです。例えば今期の利益が1000万円で法人税率が40%なら、税金は400万円と計算されます。そこで従業員への決算賞与を500万円支払うとすると、利益は500万円となり支払う税金は200万円に減少します。

たしかに税金面ではかなり抑えられましたが、会社のキャッシュとしては前者が税金支払後600万円が会社に残るのに対し、後者は300万円しか残りません。どちらの場合が良いかはその会社によると思いますが、賞与金額の算定は従業員の貢献度と会社の資金繰りの両方を考え合わせた上で決定していかなければなりません。

役員に対する賞与については税金面において有効ではないと書きましたが、事前に年間の利益の金額を予測することができれば、期首の時点で毎月支払う役員給与額や定時に支払う役員賞与額を決定し届出をすることにより、従業員と同じに経費計上することが可能となります。

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