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一人親方を検証する

 税務調査で指摘される確率が高い項目のひとつに、一人親方などの大工に支払う場合の経理処理方法があります。問題点はその大工への支払いが給料なのか外注費なのかということです。判断の材料としては消費税基本通達1−1−1、所得税法第28条などに記載されていますが例を示しながら内容をみていきましょう。まず仕事の契約形態は次のように分類することができます。



雇用契約とは会社が従業員やアルバイトを雇う形態であり一般的によく知られています。派遣契約とは派遣元が雇用した労働者を派遣し、派遣先にて業務に従事させる契約形態です。そして請負契約とは一方が仕事を完成させ、他方がその仕事の結果に対して報酬を支払う契約をいいます。
それでは雇用契約と請負契約の具体的な違いはどこにあるのでしょうか。仕事を依頼する会社を依頼者、仕事を請ける方を受託者とすると

・仕事に対する報酬の計算は仕事依頼者がする  ○ ×
・仕事の遂行について依頼者から指揮監督を受ける ○ ×
・完成した仕事がなんらかの事情でダメになった場合でもも依頼者に報酬等の請できる  ○ ×
・仕事について依頼者から材料や用具等の提供を受ける ○ ×
・契約の内容は受託者以外の他人の代替が可能ではない ○ ×
・仕事をする場所や時間を依頼主から拘束される ○ ×
・依頼された仕事について断わることができない  ○ ×
・依頼された仕事を第三者に再委託することができない ○ ×

これらの質問で該当する項目が「○」の場合は雇用契約、「×」の場合は請負契約というひとつの判断の目安になります。   
雇用契約の場合は労働の対価は給料として扱われ、依頼者側に源泉徴収の義務が生じます。また社会保険や労働・雇用保険の加入の義務も発生します。請負契約の場合は依頼者と受託者の間に請負契約書を結ぶ必要がありますし、受託者が仕事を行う場合には、依頼者に対してその仕事の都度請求書を発行することになります。
これらについての税務署の判断は形式的なものではなく、実質的にどうなのかということです。「受託者が確定申告を自分で行っている」、「受託者は依頼者以外にも仕事先がある」という理由があるから請負契約になるということではありません。あくまでもその仕事の契約実態によって雇用なのか請負なのかが判断されることになります。
一人親方の事例に限らず様々な就労形態が増加している中、仕事を依頼する方からすれば、「社会保険等の負担が無い」「源泉所得税の預りや経理処理をしなくてよい」「消費税の仕入税額控除の対象となる」などの理由から外注費として処理したい気持ちもあるでしょう。しかしその判断は法律によりきちんと定められていますので、表面的な方法や無理やりの理屈では通りません。あくまでも実態がどうであるかが判断の基準となるのです。

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