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わかりにくい増税

数年前から消費税の税率アップが言われています。税率アップにより暮らしは確かに厳しくなりますが、国民から一律に徴収する消費税は、生活必需品に課税しないことやその税金の使途が明確になっていれば、制度としてわかりやすい税金の課税・徴収方法だと思います。

さて今年スタートした後期高齢者医療制度ですが、簡単に言えば75歳以上の後期高齢者については独立した新しい医療保険制度(後期高齢者医療制度)に加入し、保険料財源の1割をその後期高齢者世代が負担するというものです。この制度については賛否両論があり、今後この制度が大きく変更される可能性もありますが、現時点における税金方面から見た問題点をあげてみましょう。

この後期高齢者医療制度の保険料の徴収方法については1年間に受け取る年金額が18万円以上の場合は介護保険料と同じように年金支給時に天引きにより徴収されることになっています。その場合「自分の受け取る年金から保険料を支払う」=「保険料を本人が負担している」ことになります。つまり本人の所得税の計算時には介護保険料と後期高齢者医療制度の保険料を本人の社会保険料控除額として差し引くことを意味します。

この制度の導入以前には、年金をもらっていてもその金額が少ないため税制上他の親族の被扶養者になっている場合には、保険料をその親族が負担し社会保険料控除として計算していました。しかし特別徴収となり年金支給時に保険料が天引きされる場合には、たとえ実質的に扶養されている立場であったとしてもその保険料については所得税の計算上自分の社会保険料控除とするしか方法は無いのです。

例えば同居している75歳以上の両親を扶養している子供の場合、両親が支払う後期高齢者医療制度保険料の所得控除としての取り扱いは、保険料が年金から天引きされる場合両親を扶養している世帯主(子供)の口座から振替納付をする場合とでは各人の所得税や住民税の計算上次のように違いが生じます。

両親の保険料を世帯主の口座から振替える場合

両親の保険料分を世帯主の所得税・住民税の計算時に社会保険料控除とすることが可能となります

両親の保険料が年金から天引きの場合

天引きされた保険料は各人の社会保険料控除対象となります。ただし年齢が65歳以上になると受け取る年金が年間158万円までは所得税がかからないので、社会保険料控除として利用できません

また夫婦が共に75歳以上で暮らしており、夫の年金のみに所得税がかかる場合においても

妻の保険料を夫の口座から振替える場合

妻の保険料分を夫の所得税・住民税の計算時に社会保険料控除とすることが可能となります

夫婦各人の保険料が年金から天引きの場合

天引きされた保険料は各人の社会保険料控除となりますが、もともと妻の年金収入には所得税がかからない場合は、妻本人は支払った保険料に対する社会保険料控除を利用できないことになります

この制度は現時点においても流動的なため、保険料の納付方法が年金からの天引きではなく扶養者の口座振替にできる選択肢も今後増えるようになると思われます。ただ事前に手続きをしないと、自動的に税金が増えていくことにもなりかねません。政府は制度が変わることにより支払う税金が変わることや口座振替が選択可能な場合の説明をしっかりと行うべきだと思います。

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