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個人事業を開始したら

経営者のかたは売上を増やすために日々努力をされていると思いますが、その次の関心事といえば「税金」のことではないでしょうか。当事務所でもお客さまの事業規模が大きくなり、利益(所得)が増えてくると節税面を考えて個人事業から法人組織に変更のアドバイスをすることがあります。しかし法人と比較して、組織面や運営面において自由度の高い運営が可能な個人事業の経営にはまだまだメリットを感じます。そこで個人事業を始めるにあたり押さえておきたい項目をいくつかあげておきましょう。

・複式簿記で帳簿をつける
所得税の特典である青色申告特別控除(65万円)を受けるためには「所得税の青色申告承認申請書」を提出、複式簿記により帳簿を作成し、貸借対照表と損益計算書を作成する必要があります。具体的には振替伝票等を用い取引の記帳を行うか、経理ソフトを使ってパソコンに入力を行うことになります。

・青色事業専従者給与を活用する
原則として、事業を手伝う配偶者や生計を一にする親族への給与の支払は個人事業の必要経費とすることができませんが、「青色事業専従者給与に関する届出書」と「給与支払事務所等の開設届出書」を税務署に提出することにより、家族従業員への給与も必要経費として計上することができます。

・公的年金と共済年金
個人事業の場合将来の安心のために年金や共済掛金に加入することをお勧めします。個人事業主の公的年金には加入義務のある国民年金のほか、任意に加入できる国民年金基金や確定拠出年金があります。国民年金基金は国民年金の付加年金であり、確定拠出年金は加入者自らの判断と責任によって資産(商品)を運用し、その運用実績により将来の給付額が変動する制度です。また小規模企業共済は中小企業総合事業団が運営している退職金の積み立て制度で、毎月1,000円から7万円の掛け金の積み立てを一定の期間行えば、支払共済金が退職所得扱いもしくは公的年金扱いの雑所得として受け取ることが可能です。また12ヵ月以上掛け金の積み立てを行うと、積み立てた掛け金総額の範囲内で貸付を受けることもできます。またこれらの年金・共済等の掛け金についてはすべて所得控除の対象となります。

・消費税を予測する
個人事業を開業した場合、当初の2年間は消費税の納税義務がありませんが、開業した年の売上が1,000万円を超えると3年目からは消費税の課税事業者となります。ただし開業年度に大幅な設備投資を行った場合には、預った消費税より支払った消費税の金額が大きくなることが多くあり、その場合「消費税課税事業者選択届出書」を税務署に提出して免税事業者から課税事業者に変更手続きを行い消費税の還付を行うことも可能です。ただしこの届出書で課税事業者になると2年間続けて消費税の申告を行わなければなりません。

個人事業といっても税制上の恩恵を受けるためには一定のルールに従って運営していかなければなりません。事業を開始したときはバタバタとしてしまいがちですが、早い段階で有利になる制度を見極め、その制度を利用するのに必要な届出書については必ず提出期限内に提出することを心がけましょう。

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