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銀行から見た適正な借入額

長かった不況もようやく好転し始めたように見えますが、いままでの景気の低迷は尾を引いているようです。しかしここは踏ん張って何とか事業を軌道にのせたいところ。そのためにはやはり運転資金が必要になります。過去のインフォメーションでも「適正な借入額」(Vol.2)について取り上げましたが、今回は銀行から見た借入の適正な金額を考えてみましょう。

銀行はお金を貸してその金利収入を得ることが本業です。長期間多額のお金を高金利で貸すほど銀行の儲けも増えるわけですが、金利と同時に元本を完済してもらうことによってはじめて銀行のビジネスが成立することになるのです。つまり銀行側が気にしているのは貸したお金をきちんと返済してもらえるかということですので、融資の申し込みの際には会社の返済能力の査定のためにたくさんの書類が必要となるわけです。銀行は提出された書類により、「決算書の利益はどのくらいなのか」「申告や納税が期限内に適正に行われているか」「債務超過になっていないか」「不良債権はないか」「社会保険料は支払われているか」など細かい確認を行い、これらの資料から銀行はいくらくらいまでなら貸しても大丈夫なのかを判断するのです。

決算書というのは会社の成績表でもありますので各勘定科目やその内容についてチェックが行われます。銀行には様々な業種、規模の会社データがあるわけですから、決算書の数字によりある程度は銀行の査定基準により企業の格付けが行われてしまうことになるのです。それでは損益計算書を例に銀行が考える企業の返済能力についてみていきましょう。

損益計算書を見ると下のほうに「当期純利益」という科目がありますが、銀行から見るとこれが知りたい数字ではありません。まず税引き前当期純利益から当期に確定した法人税等の金額を引き、それに減価償却費を足してさらに同族会社の場合は身内に支払った役員報酬を加算します。つまりこれが役員報酬を支払う前の会社の稼ぎ出した本来の利益と考えられるのです。さてここで適正な役員報酬の金額ですが、各企業事情によりその金額は変わりますし同族会社の場合はどうしても恣意性が入ってしまうので、ここでは役員の生活に必要な金額を本来の役員報酬額と定義して考えることにします。

下記の損益計算書の例で適正な役員報酬額が600万円とすると、2,200−880+1,000+(8,000−6,000)と計算され、本来の利益は432万円ということになります。これが1年間の返済原資と考え7年間返済の借入で利息分まで考えると、約2,700万円の借入が可能と考えられます。逆に役員報酬の適正額が1,000万円とすると、本来の利益は年32万円となり、現状ではほとんど借入は見込めない計算になってしまいます。あくまでもひとつの指標ですが、借入を考えている方は借入金額の目安の計算式としてお使いいただけたらと思います。

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