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一人親方に支払う報酬の判定

一人親方(ひとりおやかた)とは、建設業などで労働者を雇用せずに自分と家族などだけで事業を行う個人事業主のことを言いますが、この一人親方に支払う報酬が、「請負契約に基づく外注費」であるか「雇用契約に基づく給与」であるかの判定について、昨年12月に国税庁から新しい通達が発遣されました。したがって契約等により所得の区分が明らかでないときはこの通達が判定の基準になると思われます。

・他人が代替して業務を遂行すること又は役務を提供することが認められるかどうか(代替可能であれば請負契約)

→これは一人親方(以下請負人という)が急病等により作業に従事できない場合、請負人が自己の責任において他の者を手配し、他の者が行った役務の提供に係る報酬が支払者から請負人に支払われたときは、代替して業務の遂行が認められることになります。一方請負人が急病等により作業できない場合、支払者の責任において他の者を手配し、支払者から他の者に直接報酬が支払われたときは他人が代替して業務を遂行することが認められる場合に該当しません。

・報酬の支払者から作業時間を指定される、報酬が時間を単位として計算されるなど時間的な拘束を受けるかどうか(拘束を受けていれば雇用契約)

→1日の作業時間が午前9時から午後5時までと指定されていて、午後5時までに予定されている作業がそれよりも早い時間に終わった場合には予定されている作業以外の作業にも従事する。また午後5時までに予定されている作業が終わらず午後5時以降も作業に従事し、午後5時以降の作業に対する報酬分も加算されて支払われるときは時間的な拘束を受けることに該当します。

・作業の具体的な内容や方法について報酬の支払者から指揮監督を受けるかどうか(受けていれば雇用契約)

→報酬の支払者から作業の具体的内容や方法が提示されている場合は指揮監督を受けていることになります。また労務を提供する上でその危険と計算を誰が負っているかも判断の基準となります。

・まだ引渡しを終えていない完成品が不可抗力のため滅失した場合、自らの権利として既に遂行した業務に係る報酬の支払いを請求できるか(請求ができれば雇用契約)

→たとえば完成品が台風等の不可抗力により損壊した場合、請負契約であれば完成品を報酬の支払者に引き渡してはじめて契約が完了すると考えられるため、請負契約の場合は請求ができません。

・材料や用具等を報酬の支払者から無償で供与されているかどうか(供与されていれば雇用契約)

→手持ちの大工道具以外は報酬の支払者が所有する用具を使用し材料等も支払者から提供されている場合は、無償で供与されている場合に該当し雇用契約になると考えられます。

請負契約・雇用契約の判定は個々の事例により行うことになります。通達改正前は一人親方の店舗の所有や使用者の有無、労働組合に加入しているかどうかなどの形式基準も判定の材料になっていましたが、改正後は実態に重きをおいた基準となっています。請負契約とは「請負人がある仕事を完成させる事を約束し、注文者がその仕事の結果に対して報酬を支払う事を約束する」契約ですので、請負人がその工期などの段取りを行い工事に必要な材料や道具を自ら調達し、そして完成品については独自の計算により注文者に請求を行わなければなりません。また請負契約に該当する場合には事業所得となり請負人は確定申告を行う必要があります。

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