税務に関して

税務情報

新規設立法人は消費税に要注意

平成元年に施行された消費税制度は平成9年にその税率が3%から5%に引き上げられ、現在は政権公約でその増税がクローズアップされています。しかしその陰で消費税の平成22年度改正があったことはご存知でしょうか? 今回の改正は

A.免税事業者が課税事業者を選択した場合

B.資本金1千万円以上の法人(新設法人)を設立した場合

の事業者は注意が必要です。

消費税の免税事業者がわざわざ届出をして課税事業者になる理由としては設備投資等の場合が考えられます。設備投資の資産購入時に支払った消費税分について還付申告をすることにより消費税分が取り戻せるからです。改正前はこの届出を提出してから2年間は続けて消費税の申告をしなければなりませんでしたが、それ以降は基準期間(2期前)の課税売上高が1千万円以下であれば届出書を出すことにより再び免税事業者に戻れたのです。しかし今回の改正では免税事業者が課税事業者の届出を提出して課税事業者になったあと、調整固定資産(※注)を購入した場合には、その課税仕入れを行った日の属する課税期間の初日から原則として3年間は免税事業者になることもできなくなり、また簡易課税制度を適用して申告することもできなくなりました。またこの制度は資本金1,000万円以上の法人を設立した場合に設立期と翌期が消費税の課税事業者となる新設法人についても適用されるのです。

※ 調整固定資産とは棚卸資産以外の資産で、建物及びその附属設備、構築物、機械及び装置、車両運搬具、工具器具備品などの資産で、消費税等に相当する金額を除いた金額が100万円以上のものをいいます

新規に法人を設立した場合には基準期間(前々事業年度)が存在しないため設立第1期目と第2期目においては課税売上高がいくらであろうと消費税を納める義務はありません。ただし資本金が1,000万円以上の法人については、前々期の課税売上高が存在しないにもかかわらず、設立第1期・第2期において消費税の課税事業者になります。(第3期以降は前々期の課税売上高が1000万円を超えるかどうかで納税義務の有無を判定することになります)

◇資本金1,000万円以上の新規設立法人(改正前)

設立1期目 設立2期目 設立3期目

課税事業者

課税事業者

1期目により判断

ただし平成22年4月1日以後に設立された資本金額が1,000万円以上の法人については、
・基準期間がない事業年度(第1期・第2期)に
・調整固定資産の課税仕入れを行い
・その課税期間につき一般課税で確定申告をする
ときは、課税仕入れを行った課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間については免税事業者となることができなくなりました。またその期間中は簡易課税制度を適用して申告することもできなくなりました。

◇改正後設立1期目に調整固定資産を取得した場合

設立1期目 設立2期目 設立3期目

一般課税

一般課税

一般課税

◇改正後設立2期目に調整固定資産を取得した場合

設立1期目 設立2期目 設立3期目 設立4期目

課税事業者

一般課税

一般課税

一般課税

以上のように平成22年4月1日以後資本金1千万以上の法人を設立した場合には、消費税の課税制度や申告について一定期間制限を受けることがありますので十分注意が必要です。

一覧に戻る

ご相談だけでも大歓迎!まずはお気軽にご相談ください。
メールでのお問い合わせはこちら
  • 顧問料のお見積り
  • 確定申告のチェックポイント
  • 確定申告の基本事項