税務に関して

税務情報

輸入仕入を行ったときの経理処理

最近円高が進んでいることもあり、輸入仕入れを行い商品を販売する会社や個人の方が目立っています。ただし輸入による仕入れは国内での取引とは異なるため、戸惑う方も多いようです。
外国貨物のうち課税貨物を保税地域(輸出入手続きを行い、また外国貨物を蔵置し又は加工、製造、展示等することができる特定の場所)から引き取ろうとする場合、原則として輸入(納税)申告書を提出し、その申告に関わる消費税額等を納付することになっています。

輸入申告書の記載方法についてはここで詳しくは述べませんが、振替伝票を作成するために次の数字を確認しておきます。

・輸入仕入価格
 輸入商品の本体については、仕切状(INVOICE)に基づき円貨に換算して計上を行います
・運賃(輸入)
 上記と同じく外貨建てのものは円貨に換算して計上します
・その他の諸掛
 保険料、通関料、手数料等
・消費税・関税
 消費税については税関に実際に納付した金額を計上します

これらの輸入取引を行った場合の設例と税込処理による仕訳例は次のようになります。
 国内仕入 157,500円
 輸入仕入 211,400円(ただし課税貨物)
 輸入運賃 146,100円
 運送保険  47,700円
 関税    15,700円
 消費税   21,100円(内地方消費税4,200円)
・その場合の仕訳例
 国内仕入 157,500[課仕] / 現金預金 157,500
 輸入仕入 211,400[課貨] / 現金預金 442,000
 輸入運賃 146,100[課貨]
 輸入保険  47,700[課貨]
 輸入関税  15,700[課貨]
 消費税等  21,100[課貨]※
(※税抜処理の場合の科目は「仮払消費税」)

確定申告時における消費税額の計算において本則課税の場合は「預り消費税−支払消費税」で計算を行います。国内における仕入について消費税の課税区分は課税仕入(課税区分:課仕)となり、これに5%をかけて支払消費税を算出します。一方輸入仕入の場合は課税貨物の引き取り時にすでに消費税額等を支払っているわけですから、その計算の基礎となる輸入仕入や諸掛費用については消費税の課税仕入分とは区別しておく必要があり、そのため課税区分を(たとえば「課貨」等として)分けておかなければなりません。

・課税仕入(支払消費税)の計算
 国内仕入分 157,500×4/105=6,000円…@
 輸入仕入分 16,900円…A
 課税仕入等の税額の合計 @+A=22,900円

本則課税の場合における消費税の確定申告書の計算は、国内取引の課税仕入分について4/105を乗じ、輸入取引の課税部分については取引時に支払った消費税の金額を付表2の課税貨物に係る消費税額欄Iに転記しておきます(設例では16,900円)。このときの消費税は税関に実際に納付した金額を用い、かつ地方消費税の金額は含まないことに注意をしなければなりません。

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