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固定資産税にも消費税がかかる!?

先日土地建物の売買をされたお客さんから「固定資産税にも消費税がかかるのですか?」という質問を受けました。売買契約価額の計算過程において固定資産税に5%の消費税がかけられているとおっしゃるのです。税金に税金がかかるわけがないと思いつつも調べてみると。

そもそも固定資産税とは、毎年1月1日現在において課税の対象となる土地や家屋等の有形固定資産を所有している場合に課税される地方税です。税率は主に各市町村が定めた固定資産税評価額に1.4%の標準税率をかけたものとなっています。ところで売主と買主の間では土地や建物の売買について売買日における未経過の固定資産税分(以下固定資産税相当額という)を精算することが一般的な慣例となっているようです。たとえば1月末に売買があったとき、1ヵ月分の固定資産税を売主の負担とし、残り11ヵ月分の固定資産税相当額を買主が負担するという方法です。

さて基本に戻ってみますと、固定資産税は1月1日現在における物件の所有者に課税される税金ですので、売買があったとしても買主が負担する法的な理由はありません。そうであれば未経過分である固定資産税相当額はあくまでも売主と買主の当事者間の取引の中で決められた金額となり、売買価格の一部であると解釈できます。建物の売買でしたらその金額に消費税分を上乗せしても構いませんし、土地と建物が一体となっていれば建物にかかる固定資産税相当額分にのみ消費税をかけてもよいでしょう。ただしこれらは法的なものではなく単に売買代金の上乗せになりますので、当事者間で合意があれば消費税をかけてもかけなくても問題にはなりません。

売主にとってはその譲渡価額に固定資産相当額を加えたものが物件の売却価額になり、買主にとっても固定資産税相当額は税金という経費ではなく、取得原価の一部を構成することになり、土地・建物の一括売買の場合は固定資産税相当額を土地部分と建物部分とに分けてそれぞれの取得原価の金額に含めることになります。

〜関連する消費税の根拠条文は次のとおりです〜

消費税法基本通達10-1-6
<未経過固定資産税等の取扱い>
固定資産税、自動車税等(以下10−1−6において「固定資産税等」という。)の課税の対象となる資産の譲渡に伴い、当該資産に対して課された固定資産税等について譲渡の時において未経過分がある場合で、その未経過分に相当する金額を当該資産の譲渡について収受する金額とは別に収受している場合であっても、当該未経過分に相当する金額は当該資産の譲渡の金額に含まれるのであるから留意する。
(注) 資産の譲渡を受けた者に対して課されるべき固定資産税等が、当該資産の名義変更をしなかったこと等により当該資産の譲渡をした事業者に対して課された場合において、当該事業者が当該譲渡を受けた者から当該固定資産税等に相当する金額を収受するときには、当該金額は資産の譲渡等の対価に該当しないのであるから留意する。

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