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中小企業も年次有給休暇が必要?

厚生労働省が、「働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で選択できるようにする」ための改革として『働き方改革』を推し進めていますが、中小企業にとってどのような影響があるのか考えてみたいと思います。
まず今回労働時間法制の見直しとなった項目ですが、

1.残業時間の上限規制
2.「勤務間インターバル制度」の導入促進
3.年5日間の年次有給休暇の取得
4.月60時間超の時間外労働の割増率引上げ
5.労働時間の客観的な把握
6.「フレックスタイム制」の拡充
7.「高度プロフェッショナル制度」の創設
8.産業医・産業保健機能の強化

などがあり、その施行日は2019年4月1日からとなっています。(注)
上記のうち全企業に義務付けられている「3」の年次有給休暇についてみていきたいと思います。

年次有給休暇とは、一定期間勤続した労働者に対して心身の疲労を回復し、ゆとりある生活を保障するために付与される休暇のことで、「有給」で休むことができる、すなわち取得しても賃金が減額されない休暇のことです。(労働基準法第39条)
付与には2つの条件が必要になります。

@雇い入れの日から起算して6か月継続勤務
A全所定労働日数の8割以上を出勤

この要件を満たせば、パートやアルバイトといった非正規の従業員にも年次有給休暇が付与されることになります。通常の労働者の場合の付与日数は以下のとおりです。

継続勤務年数 0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5以上
付与日数 10 11 12 14 16 18 20

まず最初の6か月経過日に10労働日の年次有給休暇が与えられ、その後継続勤務年数が増えるごとに付与日数も増えていきます。ある1年の付与日数20日のうち1日も消化しないと、次の1年の付与日数とあわせて、40日分の権利を保有している状態になります。なお年次有給休暇は、発生日から起算して2年間の消滅時効に服することになりますので、保有できるのは40日が最大です。

いままでは有給休暇を取る場合には労働者から使用者に「いついつに休んでもいいですか」と時季指定の申し出をする形でしたが、これからは使用者が忙しくて休めない労働者に対して取得時季の意見を聴取し、労働者の意見を尊重した上で使用者が取得時季を指定することになります。

ただし労働者から有給休暇申し出の申請日が業務の正常な運用を妨げる理由があるときは、「時季変更権」として、使用者は別の日に有給を取得するように指示することがきます。また年次有給休暇が10日以上付与される労働者が、有給休暇を5日以上取得済みのときは、使用者による時季指定を行う必要はありません。

この改正は、中小企業にも適用があること、条件を満たしているパートやアルバイトにも取得させる義務があること、違反した場合には従業員1名につき30万円以下の罰金規定があるなど、中小企業にとっては労働者に対する意識を変えなければならないほど大きな意味があると思われます。

注:中小企業における残業時間の上限規制の適用は2020年4月1日、中小企業における月60時間超の時間外労働の割増引上げの適用は2023年4月1日

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