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税務情報

賃貸不動産を購入する前に

長引くコロナウイルスの影響により観光産業は大きなダメージを受けており、それに関連するホテルや民泊事業も観光客の減少により売上の低迷が続いています。ホテル等は人件費や不動産の維持費のほか先行投資部分も大きく、借入の返済が滞ってしまい不動産を手放さなければならない事業者の方もおられるようです。つまり不動産の価格自体も下がってきているので今が買い時と不動産の購入を考えている方もおられると思います。

ところで令和2年10月1以後に購入する居住用賃貸建物については、その購入時の建物部分に係る課税仕入れ等の税額(支払消費税部分)については、原則、仕入税額控除の対象としないこととされています。つまり消費税の申告義務がある会社が、購入時に支払った居住用不動産の建物部分の消費税について消費税申告時に控除ができなということになりますので、消費税額の支払負担がその分増えることになります。またその不動産を購入してから第三年度の課税期間を過ぎた後売却をしたときには、売却にかかる建物部分の消費税はしっかりと申告をすることになりますので少し不公平な感じもします。ただし今回の改正の位置づけは過去の消費税逃れを封じるための法改正の流れから来ていますので、仕方がないような気もします。

また今回の改正については、不動産販売業者の方が居住用賃貸建物を仕入れたときにも該当しますので、不動産を購入してから第三年度の課税期間内に売却をした場合には消費税の調整計算が行えるとしても、各課税期間においては消費税額支払いのアンバランスが生じますので、影響は大きいと考えられます。

それでは居住用賃貸建物の中に事務所や店舗がある場合はどうなるでしょうか。判断としては建物の構造や設備の状況・その他の状況により住宅の貸付用でないことが客観的に明らかでない限りは「居住用賃貸建物」に該当することになります。なお、居住用賃貸建物を、建物の構造や設備の状況・その他の状況により、商業用(賃貸)部分と居住用賃貸部分とに合理的に区分しているときは、居住用賃貸部分についてのみ、仕入税額控除が制限されることになります。具体的には、建物の一部が店舗用の構造等となっている居住用賃貸建物などについて、使用面積割合や使用面積に対する建設原価の割合など、その建物の実態に応じた合理的な基準により区分することになります。

※居住用賃貸建物
住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物であって高額特定資産又は調整対象自己建設高額資産に該当するもの

※高額特定資産
一の取引の単位につき、課税仕入れに係る支払対価の額(税抜き)が1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産

※調整固定資産
棚卸資産以外の資産で、建物及びその附属設備、構築物、機械及び装置、車両及び運搬具、工具、器具及び備品、その他の資産で、一の取引単位の価額(消費税及び地方消費税に相当する額を除いた価額)が100万円以上のもの

※調整対象自己建設高額資産
他の者との契約に基づき、又は事業者の棚卸資産として自ら建設等をした棚卸資産で、その建設等に要した課税仕入れに係る支払対価の額の100/110に相当する金額等の累計額が1,000万円以上となったもの

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