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ふるさと納税返礼品は一時所得?

ふるさと納税制度が始まってから十数年が経過しより身近な寄附制度として定着しており、事業経営者で利用されている方も多いと思います。内容については以前この通信でも取り上げたことがありますが、今回はふるさと納税が控除となるだけでなく、収入(所得)にもなるという話です。

ふるさと納税は自分が応援したい自治体に寄附を行う制度であり、その寄附金の使い道も指定することができます。また本来寄附行為とは見返りの無いものですが、ふるさと納税は寄附をした自治体からその地域の名産品などのお礼の品もいただけたりします。そして手続きを行えば寄附の金額に応じて所得税及び住民税の控除を受けることができます。

さて、寄附が見返りを受けない行為ということは、ふるさと納税における返礼品の受取りは経済的利益となり、所得税法上の一時所得に該当します。一時所得は下記のように計算されます。
[(一時所得の総収入額-収入を得るための費用)-50万円]X 1/2
ふるさと納税における収入金額は受け取った返礼品の調達価格となり、収入を得るための費用は寄附という性質上0円ということになります。調達価格は受け取る返礼品により異なりますが寄附の合計額の約35%と仮定しますと、ふるさと納税の寄附額が約140万円以上になると一時所得として収入の申告を行わなければならないことになります。逆にそれ以下の寄附であれば収入に含める必要はありません。

ところでひとつ気をつけなければいけないことは、ふるさと納税のほかにも一時所得がある場合にはそれも合算をして申告を行わなければならないことです。ふるさと納税の返礼品以外の一時所得としては、

・生命保険などの一時金や満期返戻金
・賞金や賞品(宝くじは対象外)
・公営ギャンブルからの払戻金
・法人からの贈与金品

などがあります。これらの収入がある場合にはふるさと納税分と合算をして申告の有無の判断をしなければなりません。
収入が給与のみで年末調整をしている方については、その給与所得以外の所得が20万円以下の場合には確定をしなくてもよいという制度があります。ただしこれは確定申告を行わない方限定の制度ですので、医療費控除やふるさと納税の寄附金控除を受ける方は、給与所得以外の20万円以下の所得があってもそれを加えて確定申告を行わなければいけません。確定申告を行うのであればいいとこ取りはできないということです。

年間140万円以上のふるさと納税の寄附を行う人は少ないと思いますが、ふるさと納税の返礼品が経済的利益を受けているという認識は必要だと思います。また他の一時所得がある場合にはふるさと納税分も含めて計算することを忘れないようにしましょう。

※ふるさと納税の返礼品(調達)価格とは基本的にはその返礼品の時価となります。時価がわからない場合にはその寄附をした自治体に直接返礼品の価格を尋ねる方法もありますが、件数が多ければなかなか大変な作業になると思います

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