非居住者への支払いがある場合
現在円安で日本の通貨価値が下がっていることもありコロナウィルス感染者数がひと段落してからは海外からの訪日客が増加し、日本に投資目的で訪れる海外の人も多くなっているようです。非居住者(※)や外国法人(※)に源泉徴収の対象となる国内源泉所得(※)を支払う場合には、その支払いの際に所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなければならないことになっていますが、日常の商取引では見落とされることも多いですので、例を挙げて確認していきましょう。
○土地等を購入する場合
非居住者から日本国内にある土地や建物等の不動産を購入する場合は、その対価の支払いの際に所得税及び復興特別所得税を源泉徴収します(10.21%)
○不動産の賃料を支払う場合
非居住者から日本国内にある土地や建物の不動産を借りる場合は、その賃料を支払う際に所得税及び復興特別所得税を源泉徴収します(20.42%)
○利子を支払う場合
国内において業務を行う者が、非居住者からその国内業務に関する資金の貸付等を受けることにより支払う利息については、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収します(15.315%)
○給与を支払う場合
非居住者に給与を支払う場合には、その際に所得税及び復興特別所得税を源泉徴収します(20.42%)
○役務の提供を行う場合
非居住者に仕事等を依頼して役務の提供を受け報酬を支払う場合には、その支払いの際に所得税及び復興特別所得税を源泉徴収します(20.42%)
上記で徴収した税金については翌月の10日までに税務署に納付をすることになります。
日本国内の居住者同士の取引の場合、法人が受けた価額は事業収入となり、個人が受けた価額は個人収入として確定申告で精算を行いますが、非居住者については日本国内での確定申告を行わないため、取引が生じたときに前もって源泉徴収により課税関係を完結させます。一方日本とその居住者等の居住地国との間で租税条約が結ばれている場合には、その租税条約に定めるところにより、前記の税率が免除され、または軽減されることがあります。
(※)非居住者
→日本国内に住所も1年以上の居所も有しない方をいいます
(※)外国法人
→日本国内に本店も主たる事務所も有しない法人をいいます
(※)国内源泉所得
→所得を得た現金・場所が日本国内で生じた所得のこと。居住者には日本国内及び国外で稼得した所得が課税対象になますが、非居住 者や外国法人については日本国内で稼得した「国内源泉所得」のみが課税所得となります
← 一覧に戻る
※当ホームページはすべて税込で金額を表示しております