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相続なんて自分に関係がない

ある統計によると相続税の対象となる被相続人の数は死亡者全体の約5%といわれており、「相続税は自分には関係ない」と考えている人が大半を占めるそうです。でもそれはあくまでも税金の話であり、相続税が発生するしないに関わらず相続による争いが起きる可能性はどこの家族間においても非常に高いように思われます。

まずよくあるのが土地や建物、株券などすぐには換金できない相続財産が多い場合です。相続財産がすべて現金であれば相続人全員の合意のもとそれを分ければいいのですが、現金化しにくい資産の場合は相続する本人にとって必要かどうかがポイントになります。家や土地の売却(換金)には時間がかかりますし、あまり有用でない資産を相続しても自分のためにはならないからです。

次によく聞くトラブルは相続人の各人がどれだけ自分が相続するかについてもめることです。法律では相続人になれる人やその分配割合については決まっていますが、実際の相続では被相続人の遺言や生前の被相続人への貢献度合いなども考慮されます。しかし遺言に異議があったり、被相続人の生前の介護などについてもその貢献度合いを金額として換算しにくいので、それ以外の相続人から不平不満が生じてしまうかもしれません。

また相続がかからない程度の財産だと安心して相続をしたらそれ以上の負債があったり、故人が第三者の連帯保証人であったりする場合もあります。そういうケースは後になってから発覚することが多く、相続放棄ができる期間(3ヵ月)を過ぎてからわかってしまうとその負債分も相続しなくてはなりません。また被相続人の連帯保証人の義務が発生したときは相続人がその負債までも背負うことになってしまいます。

相続財産に株券がある場合も要注意です。株券の額面は購入時の金額ですが、相続時のその評価については上場株式は上場されている金融商品取引所が公表する課税時期の最終価格によって評価され、非上場株式は株式の持株割合と発行会社の規模によってその評価方法は異なりますので、株価の計算を専門家に依頼する必要も出じてきます。株価が上昇している会社の株を持っている場合はその評価額も上がりますし、株券を相続するということはその会社の株主になるということなので、所有株数によってはその会社とのやりとりが必要になるかもしれません。

子どもがいない夫婦のどちらかが亡くなった場合の法定相続人は配偶者と直系尊属、つまり被相続人の配偶者と両親ということになります。両親にその故人への思い入れが強いことが多く、配偶者にとってはこれからの自分の生活を優先させたいため意識の相違が生じ、故人の残した財産を思うように分配・処分できないこともあります。、

生前から自分の親族関係を知り、その親族とは連絡を取り合いそれぞれの状況について把握していれば相続の争いの半分は解決されるように思います。相続税が発生したときに作成する「遺産分割協議書」は被相続人の遺産をどのように分割するかを決定するための書面ですが、相続人全員の同意と実印が揃わないと作成できないため、相続人が遠方にいる場合や疎遠になっている相続人がいる場合はその作成にとても時間がかかってしまいます。また自分にはいつ何が起こるかわかりません。「生前に遺書を書くなんて」と思わず、自分の財産や負債をきちんと把握し、それを誰にどれだけ残すという意思を書面に遺言として残しておくことは、自分だけでなく相続人にとっても非常に大切なことです。

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