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給与の源泉徴収義務について

春から夏にかけては従業員の入れ替えや、短期間のアルバイトを雇う機会も多くなってきそうです。それに伴い給与のほかアルバイト代や日払給与を支払うこともあると思いますが、今回はそれらの支払に対する源泉徴収の方法についてまとめてみました。

給与の支払については月給扱いの正社員だけでなく、パートやアルバイト、長期や短期、時給や日給などその雇用形態にかかわらず、支払う給与に対して事業主は源泉徴収の義務があります。

下記の表をご覧ください。

支払形態 使用する
税額表
扶養控除等申告書の
提出の有無
適用欄
月給 月額表 有り 甲欄
無し 乙欄
日給・週給 日額表 有り 甲欄
無し 乙欄
日雇賃金 不要 丙欄

◆扶養控除等申告書の提出があるとき
扶養親族や配偶者の所得を記載する扶養控除等申告書が提出された場合は「甲欄給与」として扱われます。源泉徴収税額については月額表もしくは日額表を使用しますが、その月の社会保険料等控除後の給与等の金額が月額表で88,000万円未満、日額表で2,900円未満のときは源泉徴収の必要はありません。

◆扶養控除等申告書の提出がないとき
扶養控除等申告書の提出がないときは「乙欄給与」として扱われます。その月の社会保険料等控除後の給与等の金額が月額表で88,000円未満、日額表で2,900円未満のときはその3%相当額を源泉徴収することになります。

◆日払の短期アルバイトの場合
日払で雇用期間が2ヵ月以内のアルバイトについては「丙欄」を用い、日給の金額が9,300円未満であれば源泉徴収の必要はありません。

<結論>
短期間もしくは給与の金額が少ないからといって源泉徴収をしていない例が目立ちます。給与の支払者に源泉徴収の義務があることを考えれば、給与の支払の都度源泉徴収の必要があるかどうかを確認しなければならないでしょう。「給与の支払形態はどうか」「扶養控除等申告書の提出はあるか」の2点を確認すれば、支払う金額の多少にかかわらず徴収する税額は明確になるからです。税務調査において過去の源泉未徴収額を本人から徴収できないため会社が負担する事例が増えています。その都度きちんと処理を行えば問題は発生しないはずですので、面倒がらずに源泉徴収の事務を行いましょう。

また交通費込みで給与の支払をする場合がありますが、源泉徴収の対象はあくまでも給与の部分のみですので、このときは給与明細上で給与部分と交通費部分を明確に分けて記載するように心がけましょう

「扶養控除等申告書」は主たる給与の支払者に提出する申告書で、2ヵ所以上で同時に働いていても1ヵ所にしか提出することができません。つまり主たる事業所では「甲欄」で源泉徴収をされ、それ以外の事業所では乙欄で源泉徴収をされることになります。

月額表は給与を毎月支払う場合に使用しますが、半月や10日ごと、3ヵ月ごと、半年ごと支払う場合にも使用します。日額表は働いたその日ごとに給与を支払う場合に使用します。また1週間ごとに支払う場合、日割計算をして支払う場合も含みます。

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